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Ordination Dr. Rie Iwaki
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お酒を飲まないのに脂肪肝?― 甘いものと肝臓の意外な関係 ―
「お酒はほとんど飲まないのに、脂肪肝と言われました」 健康診断の結果を持って来られた患者さんから、時々聞く言葉です。 脂肪肝というと、 「お酒を飲む人の病気」 というイメージがありませんか? もちろん、アルコールは脂肪肝の大きな原因の一つです。 でも実際には、お酒をほとんど飲まない人にも脂肪肝はあります。 そして、そんな時に私が確認するのは、 体重お腹まわり血圧血糖中性脂肪やコレステロール そして、 「甘いものや甘い飲み物は、どのくらい摂っていますか?」 ということです。 実は脂肪肝は、肝臓だけの問題ではありません。 今は「MASLD」と呼ばれるようになりました 以前は、お酒をあまり飲まない人の脂肪肝を、 NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患) と呼んでいました。 現在は国際的な名称が変わり、代謝異常と関連する脂肪性肝疾患を、 MASLDMetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 と呼ぶようになっています。 少し長い名前ですね。 でも、この名称変更

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2 日前読了時間: 11分


胸が痛い。どこを受診すればいい?― ウィーンで迷わないための、胸痛の受診ガイド ―
「胸が痛いのですが、診てもらえますか?」 診療所にも、ときどきこのようなお問い合わせがあります。 胸の痛みといっても、原因はさまざまです。 筋肉や肋骨からくる痛みもあれば、胃や食道、肺、精神的な緊張などが関係することもあります。 でも、その中には心筋梗塞、肺塞栓症、大動脈解離など、急いで対応しなければならない病気も含まれます。 そして困るのが、 「どのくらい痛かったら救急車?」「とりあえず家庭医でいい?」「救急外来に自分で行けばいい?」「1450って、こういう時にも電話していいの?」 という判断です。 今回は病気の詳しい説明よりも、 「胸が痛くなった時、オーストリアではどう行動すればよいか」 を中心にお話しします。 まず最初に:こんな胸痛なら144 突然の強い胸痛や圧迫感がある場合は、家庭医の予約を取って待つのではなく、救急対応が必要です。 特に、 ・胸を強く締め付けられる、押されるような痛み ・圧迫感 ・痛みが数分以上続く、または繰り返す ・安静にしても改善しない ・胸から腕、肩、背中、首、顎、上腹部などへ痛みが広がる ・息苦しさがある・冷汗、

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10月17日読了時間: 10分


オーストリアの医療ドイツ語―Überweisung、Zuweisung 、Befund……これ何ですか? ―
ウィーンで診療をしていると、日本人の患者さんから時々こんな質問を受けます。 「先生、この紙をもらったのですが、次はどうすればいいですか?」 見てみると、 Überweisung Zuweisung Befund Arztbrief…… 確かに、ドイツ語がある程度話せても、医療用語は別物です。 私自身も日本とオーストリアの両方の医療を知っていますが、単純に日本語へ訳すだけでは分かりにくい言葉がいくつもあります。 そこで今回は、ウィーンで実際に病院や診療所を利用するときによく目にする「医療ドイツ語」をまとめてみます。 まず、この7つを覚えておけばかなり便利 ドイツ語 日本語でいうと 実際には何をする? Rezept 処方箋 Apotheke(薬局)で薬を受け取る Überweisung 専門医への紹介 Facharzt(専門医)を予約・受診する Zuweisung 検査などの依頼 Labor、Röntgen、CT、MRTなどを予約する Befund 検査・診察結果 結果を医師と確認する Arztbrief 診療情報・退院時などの医師の文書 次に診る医

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10月10日読了時間: 15分


動脈硬化― 血圧・血糖・コレステロールは、別々の問題ではありません ―
健康診断の結果を見ていると、 「血圧が少し高いですね」 「血糖値が少し高めですね」 「LDLコレステロールも少し高いですね」 と、一つひとつの数字に目がいきます。 そして、 「どれもそれほどひどくないから、大丈夫かな」 と思うこともあるかもしれません。 もちろん、それぞれの数字を見ることは大切です。 でも、私が健康診断の結果を見る時に大切にしているのは、一つの数字だけを見るのではなく、それらを並べて見ることです。 なぜなら、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などは、それぞれ別の問題でありながら、その先で動脈硬化という共通の問題につながっているからです。 そもそも「動脈硬化」とは? 「動脈硬化」と聞くと、 血管が年齢とともにカチカチになる というイメージを持つ方もいるかもしれません。 もちろん血管には加齢による変化もありますが、心筋梗塞や脳梗塞の予防で特に問題になるのは、アテローム性動脈硬化(Atherosklerose)です。 血管の壁にLDL(いわゆる「悪玉」)コレステロールなどが関係した変化が起こり、炎症反応などを伴いながらプラークが形成されま

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10月3日読了時間: 9分


【連載】ウィーンで歳を重ねるということ⑤ ―筋肉は何歳からでも大切―
「運動していますか?」 診察でそう聞くことがあります。 でも、聞きながらいつも思います。 私自身、放っておいたらかなりの家っこです。 家にいるのが好きですし、何も予定がなければ、「今日は運動しよう!」と一人で外へ飛び出していくタイプでもありません。 なので、自分で運動を続けてらっしゃる方には頭が下がります。 それでも少しでも身体を動かすことが続いているのは、意志が強いからではなく、自分一人のやる気に頼らない仕組みを作っているからだと思います。 筋肉は、歳を重ねてからこそ大切になります 筋肉というと、 「若い人が鍛えるもの」 「スポーツをする人のもの」 というイメージがあるかもしれません。 でも医学的には、歳を重ねるほど筋肉を維持する意味は大きくなります。 筋肉量や筋力は加齢とともに低下しやすく、進行するとサルコペニアと呼ばれる状態につながります。 大切なのは、見た目の筋肉ではありません。 立ち上がる。 歩く。 階段を上る。 買い物に行く。 旅行する。 転びそうになった時に踏ん張る。 こうした日常生活を支えているのが筋肉です。 さらに筋肉は、身体を

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9月27日読了時間: 7分


骨粗鬆症 ― 骨密度検査はいつから?― 痛くなってからではなく、「骨折する前」に考えたい骨の健康 ―
「骨粗鬆症って、もっと高齢になってからの病気ですよね?」 そう思っている方は多いかもしれません。 実際、骨粗鬆症は年齢とともに増え、特に女性では閉経後にリスクが高くなります。 でも、骨粗鬆症で少し難しいのは、 骨が弱くなっていても、ほとんどの場合、痛くもかゆくもない ということです。 血圧なら測れば分かります。血糖やコレステロールなら健康診断の血液検査で気づくことがあります。 ところが骨は、静かです。 そして、 「転んで手首を骨折した」 「背骨がいつの間にかつぶれていた」 「家の中で転んだだけなのに大腿骨を骨折した」 というところで、初めて骨粗鬆症が見つかることがあります。 だからこそ骨粗鬆症は、「骨折してから治療する病気」ではなく、「骨折する前にリスクに気づきたい病気」なのです。 そもそも骨粗鬆症とは? 骨は、一度作られたらそのまま一生使い続けるものではありません。 古い骨を壊し、新しい骨を作るという「骨のリモデリング」を繰り返しています。 若いうちは骨を作る力が十分ありますが、年齢とともに骨量は少しずつ減少します。特に女性では、閉経に伴ってエ

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9月21日読了時間: 12分


大人になっても予防接種は必要?― 日本とオーストリア、実はこんなに違います ―
子どもの頃は、母子手帳を見ながら予防接種を受けていたけれど、 「大人になってから、自分が何のワクチンをいつ受けたか分からない」 という方は、実は珍しくありません。 私自身、日本で育った感覚では、予防接種というと、どうしても「子どものもの」という印象がありました。 ところがオーストリアで医療に携わるようになって改めて感じるのは、 予防接種は、子どもの時に終わるものではない ということです。 子どもの頃に受けたワクチンでも、大人になって追加接種が必要になるものがあります。年齢とともに重要になるワクチンもありますし、妊娠、持病、仕事、旅行などによって必要なものが変わることもあります。 そして、日本とオーストリアでは、その考え方や接種スケジュールにもかなり違いがあります。 今回は、ウィーンで暮らす大人が知っておきたい予防接種について、2026年9月現在の情報をもとに整理してみたいと思います。オーストリアの最新の基本資料はImpfplan Österreich 2025/2026 Version 1.1で、その後に出された個別の追加勧告もImpfplanの

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9月16日読了時間: 15分


【連載】ウィーンで歳を重ねるということ④歩くことを、楽しみに変えてみる ―Stadtwanderwegで見つけた、小さな健康習慣―
歳を重ねるにつれて、 「健康のために〇〇しなければ」 ということが少しずつ増えてきます。 運動しなければ。 食事に気をつけなければ。 健康診断にも行かなければ。 もちろん、どれも大切です。 でも、せっかくなら「健康のために頑張って何かをする」のではなく、楽しいことが、結果として健康にもつながっている。 そんな毎日の方がいいな、と私は思います。 先日、友人から、 「ウィーンのStadtwanderwegを全部制覇する!」 と聞きました。 Stadtwanderwegという名前はこれまでにも耳にしたことがありましたが、実はどんなものなのか全く知らなかった私。 そこで友人に付き合って、まずはStadtwanderweg 4(Jubiläumswarte)を歩いてみることにしました。 これが、思っていた以上に楽しかったのです。 ウィーンのStadtwanderwegとは? ウィーン市には、14のStadtwanderweg(市内ハイキングコース)があります。 Kahlenberg、Hermannskogel、Bisamberg、Prater、Wiener

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9月12日読了時間: 8分


「季節のせい」だけではないかもしれない―アレルギーと上手につき合うために―
なんとなく鼻がむずむずする。 目がかゆい。 くしゃみが続く。 夜になると咳が出る。 そんな症状が、季節に関係なく続いていることはありませんか。 「風邪が長引いているのかな」 「体調がいまひとつなだけかも」 そう思いながら過ごしている方も、少なくないかもしれません。 アレルギーとは、本来体を守るはずの免疫が、 花粉、ダニ、動物の毛、カビ、食べ物などに対して、 過敏に反応してしまう状態です。 その結果として、 ・鼻炎(花粉症) ・結膜炎(目のかゆみ) ・皮膚のかゆみ ・喘息(咳・息苦しさ) ・じんましん など、さまざまな症状として現れます。 なお、寒暖差によって鼻水やくしゃみが出る場合、いわゆる「寒暖差アレルギー」と呼ばれることもありますが、実際にはアレルギーではなく、血管運動性鼻炎と呼ばれる状態であることがあります。 大切なのは、「何に反応しているのか」を知ることです。 症状の出る季節、場所、食べたもの、触れたもの。家の中か外か、朝か夜か。 こうした日常の小さな手がかりが、診断につながります。 季節によって症状が強く出る場合には、 花粉症が関係して

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9月5日読了時間: 4分


糖尿病・糖尿病予備軍とは?―「血糖値が少し高めですね」と言われたら、今できることがあります―
健康診断で、 「血糖値が少し高めですね。」 「HbA1cが少し高いですね。」 と言われたことはありませんか。 「まだ糖尿病ではないから大丈夫。」 「甘いものはあまり食べないから関係ない。」 そう思われる方も少なくありません。 診療をしていると、 「症状がないので、そのままにしていました。」 という方もよくいらっしゃいます。 しかし糖尿病は、自覚症状がない時期から少しずつ血管や神経に負担をかける病気です。 だからこそ、「糖尿病予備軍」の段階で生活習慣を見直すことが、将来の健康につながります。 今回は糖尿病と糖尿病予備軍について、最新の考え方をご紹介します。 あわせて読みたい 脂質異常症とは? 高血圧とは? オーストリアの健康診断(Vorsorgeuntersuchung)とは? 糖尿病とは? 糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。 通常は、食事をすると血糖値が上がりますが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによって、血糖値は適切な範囲に保たれています。 糖尿病では、 インスリンの分泌が少なくなる インスリンが

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7月31日読了時間: 5分


脂質異常症とは?―「コレステロールが高いですね」と言われたら、どう考えればよいのでしょうか―
健康診断で 「コレステロールが高めですね。」 「LDLコレステロールが高いです。」 と言われたことはありませんか。 一方で、 「自覚症状はないし、様子を見ても大丈夫かな。」 「薬はできれば飲みたくない。」 というお気持ちをお持ちの方も少なくありません。 診療をしていても、 「まだ元気だから。」 「食事に気を付ければ大丈夫ですよね。」 というご相談をよく受けます。 脂質異常症は、症状がないまま進行することが多い病気です。 だからこそ、不安になりすぎる必要はありませんが、正しく知っておくことが大切です。 今回は、脂質異常症について現在の考え方をまとめてみたいと思います。 あわせて読みたい 高血圧とは? オーストリアの健康診断(Vorsorgeuntersuchung)とは? それ、更年期かもしれません 脂質異常症とは? 脂質異常症とは、 血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れた状態です。 主に問題となるのは、 LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール) HDLコレステロール(善玉コレステロール) 中性脂肪(トリグリセリド)

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7月26日読了時間: 8分


【保存版】旅行中の体調管理―海外旅行・日本への一時帰国に持っておきたい薬と準備リスト―
「旅行中に子どもが熱を出したらどうしよう。」 「海外で薬局へ行くのは少し不安。」 「日本へ一時帰国するとき、どんな薬を持って行けば安心?」 夏休みや長期休暇が近づくと、このようなご相談をいただくことがあります。 旅行は楽しみな一方で、環境や食事、気候の変化、疲労などから体調を崩しやすい時期でもあります。 また、日本とオーストリアでは市販薬の種類や商品名が異なるため、「現地で買えば大丈夫」と思っていても、必要な薬がすぐに見つからないこともあります。 今回は、旅行前に準備しておくと安心な薬や持ち物についてまとめました。 ※この記事は一般的な内容です。持病がある方や妊娠中、小さなお子さんでは必要なものが異なりますので、旅行前にかかりつけ医へご相談ください。 あわせて読みたい それ、軽い脱水かもしれません ウィーンの紫外線、実は日本より強い? 【ウィーン版】子どもの発熱・受診の目安 【ウィーン版】大人の時間外受診ガイド 〖ウィーン・小ども版〗救急・時間外対応ガイド オーストリアの健康診断(Vorsorgeuntersuchung)とは? 出発前に確認した

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7月19日読了時間: 6分


PMS(月経前症候群)とは?―「生理前だから仕方ない」だけではないかもしれません―
「生理前になるとイライラする」 「気分が落ち込む」 「家族にきつく当たってしまう」 「甘いものが止まらない」 そんな経験はありませんか。 診療をしていると、 「昔からだから仕方ないと思っていました」 というお話を聞くことがあります。 一方で、 「年齢とともに症状が強くなった気がする」 「更年期なのかPMSなのか分からない」 と相談される方も少なくありません。 PMS(月経前症候群)は決して珍しいものではありません。 日本では、月経のある女性の多くが何らかの月経前症状を経験するといわれています。 しかし、つらい症状があっても「我慢するしかない」と考えている方が少なくないように感じます。 今回はPMSについて、現在分かっていることをまとめてみたいと思います。 PMSとは? PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)とは、 排卵後から月経前にかけて現れ、月経開始後数日以内に改善する心身の症状を指します。 典型的には、月経後しばらくすると症状が軽くなったり消失したりします。 代表的な症状として、 こころの症状 イライラ 怒りっぽく

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6月27日読了時間: 7分


【連載】ウィーンで歳を重ねるということ③日々の暮らしが、脳を支える―運動・睡眠・食事・人とのつながり―
「認知症は、予防できるのでしょうか」 ときどきこうしたご質問を受けることがあります。 すべてを防ぐことはできません。 けれど最近では、認知症のリスクの一部は、生活習慣や体の状態、社会的なつながりと関係している可能性があることが分かってきています。 つまり、認知症は「脳だけ」の問題ではなく、日々の暮らしともゆるやかにつながっているということです。 たとえば、 ・血圧や血糖を整えること ・体を動かすこと ・睡眠を大切にすること ・食事のバランスを意識すること ・人とのつながりを持つこと どれも特別なことではありません。 日常の中にある、小さな選択ばかりです。 運動というと、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。 けれど、必ずしも特別なスポーツを始める必要はありません。 少し歩く。 階段を使う。 外に出て光を浴びる。 そうした小さな動きも、積み重なれば大切な生活習慣になります。 睡眠もまた、脳の健康を考えるうえで大切な要素です。 眠っている間、脳はただ休んでいるだけではなく、日中にたまった老廃物を処理し、次の日に備えて整えていると考えられています。

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6月24日読了時間: 3分


健康診断・がん検診・プライベート健診―「たくさん受けること」が健康につながるとは限りません―
「念のため、できる検査は全部受けておいた方がいいですか?」 「がんは早く見つけるほど良いのだから、毎年いろいろ検査した方が安心ですよね?」 診療をしていると、このようなご相談を受けることがあります。 最近では、全身MRIやPET検査、人間ドックに近いプライベート健診なども目にする機会が増えました。 一方で、 「何を受けたらよいのか分からない」 「検査は多いほど安心なのだろうか」 と迷われる方も少なくありません。 結論から言うと、健康診断やがん検診は「多ければ多いほど良い」というものではありません。 大切なのは、年齢、性別、家族歴、生活習慣、既往歴などに応じて、自分にとって意味のある検査を適切なタイミングで受けることです。 予防医療の目的は、病気を片端から探すことではありません。 将来の心筋梗塞や脳卒中、糖尿病、一部のがんなどのリスクを下げ、健康に過ごせる時間を延ばすことにあります。 オーストリアの健康診断(Vorsorgeuntersuchung)とは? オーストリアでは、18歳以上の方を対象に、年に1回無料で受けられる健康診断(Vorsorge

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6月20日読了時間: 6分


HPVワクチン、接種歴を一度確認してみませんか?―子宮頸がんだけではない「がんを予防するワクチン」―
「子宮頸がんワクチンですよね?」 HPVワクチンというと、そう聞かれることがあります。 確かにHPVワクチンは、子宮頸がん予防のワクチンとして広く知られています。 けれど実際には、それだけではありません。 HPV(ヒトパピローマウイルス)は、 ・子宮頸がん ・肛門がん ・中咽頭がん ・陰茎がん ・外陰がん、腟がん ・尖圭コンジローマ などの原因になることが知られています。 つまり、HPVワクチンは女性だけのワクチンではなく、男女ともに関係するワクチンです。 今回は、オーストリアで暮らす日本人の方に向けて、HPVワクチンについて整理してみたいと思います。 オーストリアでは男女ともに推奨されています 日本では長い間、 「子宮頸がん予防=女の子のワクチン」 という印象が強かったかもしれません。 一方、オーストリアでは、HPVワクチンは男女ともに推奨されています。 それは、HPVによる病気が女性だけの問題ではないからです。 男の子も将来HPV関連のがんや尖圭コンジローマになる可能性があります。 また、社会全体で感染を減らすという意味でも、男女ともに接種す

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6月18日読了時間: 4分


健康診断で「異常なし」なのにしんどい―それは気のせいではないかもしれません―
「健康診断では異常ありませんと言われました」 それでも、 疲れやすい。朝からだるい。集中力が続かない。やる気が出ない。息切れしやすい。 そんな不調が続いている方はいらっしゃいませんか。 診療をしていると、 「検査では異常がないのに、なんとなくしんどい」 というご相談を受けることは少なくありません。 もちろん、健康診断で大きな異常が見つからなかったことは良いことです。 けれど、「異常なし」と「絶好調」は必ずしも同じではありません。 健康診断では分からないこともある 一般的な健康診断では、 ・血圧 ・血糖値 ・コレステロール ・肝機能・腎機能 などを確認します。 これらはとても大切な項目です。 一方で、「疲れやすい」「なんとなくしんどい」という症状の原因が、健康診断だけで分かるとは限りません。 健康診断は、主に生活習慣病や一部の病気を見つけるための検査です。 そのため、異常がなくても体調不良の原因が完全に否定されるわけではありません。 鉄不足が隠れていることも 特に女性では、 ヘモグロビンは正常でも、 体内の鉄の貯蔵量を示すフェリチンが低下しているこ

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6月16日読了時間: 5分


果実ジュースやスムージーは身体によい? ―健康的なイメージと、知っておきたい注意点―
「毎朝フルーツジュースを飲んでいます」 「スムージーなら身体によさそう」 そんな声をよく聞きます。 果物は健康によいというイメージがありますし、実際にビタミンやミネラル、食物繊維などを含む大切な食品です。 ですから、そう感じるのはとても自然なことだと思います。 ただ、果実ジュースやスムージーについては、少しだけ誤解されやすい点もあります。 今回は、「果物」と「ジュース・スムージー」の違いについて、いっしょに考えてみたいと思います。 果物そのものは健康的な食品 まず大前提として、果物そのものは健康的な食品です。 果物には、 ・ビタミン ・ミネラル ・食物繊維 ・ポリフェノールなどの抗酸化物質 が含まれています。 多くの研究で、果物の摂取は心血管疾患や高血圧などのリスク低下と関連することが報告されています。 つまり、 「果物を食べること」は、基本的に健康的な習慣です。 ジュースになると何が変わる? 問題は「果物」ではなく、「果実ジュース」のほうです。 オレンジを丸ごと1個食べる場合と、オレンジジュースを飲む場合では、思っている以上に違いがあります。

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6月12日読了時間: 6分


高血圧は「症状がないうち」が大切―海外で暮らす私たちが知っておきたいこと―
「血圧が少し高いですね」 そう言われたことはありませんか。 けれど、 頭痛もないし、 元気だし、 特に困っていない。 そう思って、そのままになっている方も少なくありません。 実際、高血圧は初期にはほとんど症状がありません。また、高血圧以外にも、症状がないまま進行する病気は少なくありません。予防医療については、こちらの記事も参考にしてください。 →オーストリアの健康診断(Vorsorgeuntersuchung)とは?―無料で受けられる予防検診― →「SVS-Vorsorgepassとは? ―予防検診や予防接種でポイントが貯まる新しい制度―」 だからこそ、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。 症状がないまま何年も続き、ある日突然、 脳卒中、 心筋梗塞、 心不全、 腎臓病 として見つかることもあります。 まずは自分の血圧を知ることから 高血圧について考えるとき、一番大切なのは、 まず自分の値を知ることです。 近年のガイドラインでは、診察室だけでなく、自宅で測る家庭血圧の重要性が強調されています。 診察室では緊張して高くなる方もいま

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6月11日読了時間: 6分


SVS-Vorsorgepassとは?―予防検診や予防接種でポイントが貯まる新しい制度―
2026年5月、オーストリアの自営業者社会保険(SVS)が、新しい予防プログラム「SVS予防パス(SVS-Vorsorgepass)」をスタートしました。 SVSに加入している方を対象に、健康診断や予防接種、がん検診などの予防医療を受けることでポイントが貯まり、一定のポイントを現金ボーナスとして受け取れる制度です。 「予防は大切」と分かっていても、日々の忙しさの中では後回しになりがちです。 SVS-Vorsorgepassは、そうした予防医療を少し分かりやすく、続けやすくするための仕組みといえるかもしれません。 ここでは、できること、使い方、注意点を分かりやすくまとめます。 SVS-Vorsorgepassとは? SVS-Vorsorgepassは、SVS加入者向けの予防医療プログラムです。 自分に推奨される予防検診や予防接種などを、svsGOアプリまたはWebポータル上で確認できます。 対象となる予防措置を受けるとポイントが貯まり、一定のポイントを現金ボーナスとして受け取ることができます。 また、達成状況は、 ・ブロンズ ・シルバー ・ゴールド

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6月8日読了時間: 5分
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