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それ、鉄不足かもしれません―疲れやすさ・動悸・息切れの背景に―

「最近なんとなく疲れやすい」

「立ちくらみが増えた気がする」

「階段で息切れするようになった」


そんな不調を感じることはありませんか。


忙しい毎日の中では、


「寝不足かな」

「ストレスかもしれない」

「年齢のせいかな」


と思って、そのままになっていることも少なくありません。


けれど、その背景に“鉄欠乏性貧血”が隠れていることがあります。


鉄欠乏性貧血は、もっともよくみられる貧血の一つです。

特に月経のある女性に多くみられますが、男性や閉経後女性では、別の病気が背景に隠れていることもあるため注意が必要です。



貧血とは?


貧血とは、血液中のヘモグロビンが低下し、全身に十分な酸素を運びにくくなった状態です。


ヘモグロビンを作るためには鉄が必要です。そのため、体内の鉄が不足すると「鉄欠乏性貧血」が起こります。


ただし、すべての貧血が鉄不足によるものではありません。


例えば、


・慢性的な炎症

・腎機能低下

・ビタミンB12不足

・葉酸不足


などでも貧血は起こることがあります。



鉄欠乏性貧血の主な症状


鉄欠乏性貧血では、


・疲れやすい

・だるい

・息切れ

・動悸

・めまい

・頭痛

・集中しにくい


といった症状がみられることがあります。


また、


・顔色が悪い

・爪が割れやすい

・髪が抜けやすい

・氷を無性に食べたくなる(氷食症)


といった変化がヒントになることもあります。


ただし、これらの症状は貧血だけに特有のものではありません。


心疾患、甲状腺疾患、睡眠不足、ストレスなど、ほかの原因でも起こることがあります。



鉄欠乏性貧血の原因


月経による出血


もっとも多い原因の一つです。

月経量が多い「過多月経」がある場合には、知らないうちに鉄不足が進んでいることがあります。


妊娠・授乳


妊娠中は、胎児へ鉄を供給するため、必要な鉄の量が増えます。


そのため、妊娠・授乳中は鉄不足になりやすい時期でもあります。


食事による鉄不足


偏食や極端なダイエット、食事量の低下などで、鉄摂取が不足することがあります。


海外生活では、生活リズムや食生活の変化から、知らないうちに鉄不足になっていることもあります。


消化管からの出血

一方で、胃潰瘍、大腸ポリープ、大腸がんなどによる慢性的な出血が原因になっていることもあります。


特に、


・男性

・閉経後女性

・急速に進行した貧血


では、「なぜ貧血になったのか」を詳しく調べることが重要になります。



どんな検査をする?


貧血が疑われる場合には、血液検査を行います。


主に確認する項目は、


・ヘモグロビン

・赤血球数

・MCV(赤血球の大きさ)

・フェリチン(貯蔵鉄)

・血清鉄


などです。


特にフェリチンは、体の中にどれくらい鉄が蓄えられているかを反映する重要な指標です。


必要に応じて、


・便検査

・胃カメラ

・大腸カメラ


などを行い、出血源を確認することもあります。



治療方法


鉄剤の内服


鉄不足が原因の場合には、鉄剤を使用することがあります。

ヘモグロビンが改善しても、体内の鉄を回復させるため、数か月程度継続することも少なくありません。


一方で、


・胃の不快感

・便秘

・黒い便


などの副作用が出ることもあります。


そのため、体調に合わせて調整しながら続けることが大切です。



食事の工夫


鉄は、


・赤身の肉

・レバー

・魚

・豆類

・ほうれん草


などに含まれています。


また、ビタミンCは鉄の吸収を助けます。


一方で、コーヒーやお茶は鉄の吸収に影響することがあるため、鉄剤の前後では少し時間を空けることがあります。



原因への対応も重要


「鉄を飲む」だけではなく、なぜ鉄不足になったのかを確認することも大切です。


過多月経、胃潰瘍、大腸疾患など、背景にある原因への対応が必要になることもあります。



こんなときは受診を


・強い疲労感が続く

・息切れや動悸がある

・めまい、立ちくらみが増えた

・黒い便が出る

・市販の鉄剤で改善しない


こうした場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。


特に男性や閉経後女性の貧血では、消化器疾患が隠れていることもあるため、自己判断せず原因を確認することが大切です。



まとめ


鉄欠乏性貧血は、とても一般的な病気です。


一方で、「ただの鉄不足」と軽く考えず、その背景を確認することも大切になります。


「なんとなく疲れやすい」

「最近、以前より動くのがしんどい」


そんな小さな変化が、体からのサインであることもあります。


すべてを不安に思う必要はありませんが、気になる症状が続く場合には、一度体の状態を確認してみる。


それが、将来の健康につながることもあります。


当院では、必要に応じて血液検査や消化器専門医へのご紹介も行っております。気になる症状がある場合には、お気軽にご相談ください。

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