認知症は血液検査でわかるのか?| 最近の検査について、わかりやすくまとめました
- Dr. Rie Iwaki

- 4月13日
- 読了時間: 3分
更新日:4月20日
「認知症は血液検査でわかるようになった」と聞いたことはありませんか?
最近はニュースなどでも取り上げられることが増え、外来でもご質問をいただく機会が出てきました。
結論から言うと、
👉 血液検査でアルツハイマー病の可能性を推定することはできるようになってきた
👉 ただし、誰でも受ける一般検査ではなく、診断を確定する検査でもない
というのが現時点での位置づけです。
👉 そのため、「検査だけで判断する」のではなく、全体を見て考えることが重要です。
血液検査で何を見ているのか?
アルツハイマー病では、脳の中で特定のタンパク質の変化が起こります。
現在、血液検査で注目されているのは主に以下です:
■ タウ蛋白(p-tau)👉 特に p-tau181 / p-tau217 が重要
■ アミロイドβ(Aβ)👉 Aβ42 / Aβ40 の比率が指標
■ 神経フィラメント軽鎖(NfL)👉 神経細胞のダメージを反映(ただし非特異的)
👉 これらを組み合わせて評価することで、アルツハイマー病の可能性を推測します。
どのくらい正確なのか?
血液検査の精度はここ数年で大きく向上しており、
👉 研究や専門外来では、かなり高い精度でアルツハイマー病の病理を反映することが示されています
ただし重要なのは👇
👉 血液検査だけで診断が確定するわけではない
現在も診断の基本は:
問診
神経心理検査
MRI
必要に応じて髄液検査やPET
👉 血液検査はあくまで「診断を助ける検査」という位置づけです。
オーストリアで受けられる?
👉 専門外来での評価が基本で、誰でも受ける一般検査ではない
現在は:
認知症専門外来
大学病院
一部の民間検査機関
などで導入が進みつつあります。
なおオーストリアでは、アルツハイマー病の新しい治療(抗アミロイド抗体)が導入されており、それに伴って血液バイオマーカー検査の実用化も進んでいます。
👉 ただし現時点では診断はあくまで専門医による総合判断が前提です。
日本では受けられる?
👉 日本も状況は似ています
一部の医療機関で導入が進んでいる
研究・先進医療的な位置づけ
👉 現時点では保険で routine に受けられる検査にはなっていません
なぜ今注目されているのか?
理由は大きく2つあります。
① 早期診断の可能性
👉 症状がはっきりする前に変化を捉えられる可能性
② 新しい治療との関係
現在、アルツハイマー病に対しては
・レカネマブ
・ドナネマブ
といった新しい点滴治療が登場しています。
これらは、病気の進行を遅らせる可能性のある治療として、慎重に導入が進められています。
👉 早期(軽度認知障害の段階)での治療が前提
つまり👇
👉 「早く見つける意味」が大きく変わってきている
注意点(とても重要)
血液検査については、誤解も多い分野です。
❌ 誰でも簡単に診断できる
❌ 陽性=認知症確定
❌ すぐ治療できる
👉 実際は
専門医の評価が必要
適応は限定的
治療も慎重に判断
まとめ
👉 血液検査は
「これから標準になっていく可能性が高い技術」
ただし現時点では
👉 専門外来で使われる補助検査
重要なのは、
症状
生活の変化
認知機能
👉 それらを含めて総合的に判断することです
最後に
「もの忘れが気になるけれど、どこまで調べればよいのか分からない」そう感じる方も少なくありません。
まずは、現在の状態を無理のない範囲で整理してみることが大切です。
海外で生活していると、「言葉が出にくい」といった変化が、語学によるものなのか、それとも認知機能の変化なのか、判断に迷うこともあります。
母国語での問診や神経心理検査を行うことで、状況が整理しやすくなる場合もあります。
気になることがあれば、無理のない範囲で一度ご相談ください。
必要に応じて専門医へのご紹介も可能です。
👉 治療についても別の記事でまとめています
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