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高血圧は「症状がないうち」が大切―海外で暮らす私たちが知っておきたいこと―


「血圧が少し高いですね」


そう言われたことはありませんか。


けれど、


頭痛もないし、

元気だし、

特に困っていない。


そう思って、そのままになっている方も少なくありません。


実際、高血圧は初期にはほとんど症状がありません。また、高血圧以外にも、症状がないまま進行する病気は少なくありません。予防医療については、こちらの記事も参考にしてください。



だからこそ、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。


症状がないまま何年も続き、ある日突然、


脳卒中、

心筋梗塞、

心不全、

腎臓病


として見つかることもあります。



まずは自分の血圧を知ることから


高血圧について考えるとき、一番大切なのは、

まず自分の値を知ることです。


近年のガイドラインでは、診察室だけでなく、自宅で測る家庭血圧の重要性が強調されています。


診察室では緊張して高くなる方もいますし、逆に普段の生活でだけ高くなる方もいます。


血圧計を持っている方は、


朝起きて1時間以内、

排尿後、

朝食前、

そして夜寝る前


などに測定してみると参考になります。



高血圧の基準は変わってきている


高血圧の基準や治療目標は、長年にわたり見直されてきました。


近年は、


「症状が出てから治療する」


のではなく、


将来の脳卒中や心筋梗塞を予防する


という考え方が中心になっています。


そのため、高血圧と診断された場合も、

単に薬を出すだけではなく、


年齢、

糖尿病の有無、

腎機能、

喫煙歴、

心血管リスク


などを総合的に評価して治療方針を決める流れになっています。


ウィーンで暮らしていると血圧は上がりやすい?


これは一概には言えません。


ただ、日本から移住した方の中には、食生活の変化によって血圧が上がる方もいます。


例えば、

・ハムやソーセージなどの加工肉

・チーズ

・パン

・レストランやテイクアウトの食事


には比較的多くの塩分が含まれています。また食事量も日本に住んでいた頃より多くなる傾向があるのは私自身も実感しています。


日本人の感覚では、


「少し塩辛いかな」


と感じても、知らないうちに慣れてしまい、塩分摂取量が増えていることがあります。


また、


仕事が忙しくなった、

運動量が減った、

体重が増えた、


という生活の変化も影響します。


一方で、オーストリアには良い面もあります。


野菜、

豆類、

オリーブオイル、


などを取り入れた地中海食に近い食事は実践しやすく、日本よりも手に入りやすい食材も少なくありません。


生活の中でできること


高血圧の改善というと、


「全部変えなければ」


と思ってしまう方もいます。


けれど実際には、小さな習慣の積み重ねが大切です。


例えば、


・毎日10〜20分歩く

・エレベーターではなく階段を使う

・ソーセージを毎日ではなく週数回にする

・野菜を一品増やす

・体重を少し減らす


こうした小さな変化でも、血圧に良い影響を与えることがあります。


私自身は、週に1回のスポーツジムや月に数回の運動よりも、日々の生活の中に運動や筋力トレーニングを取り入れる方が、続けやすく効果的なことが多いと感じています。


例えば、


・家事をしながら少し体を動かす

・通勤や買い物で少し多く歩く

・仕事の合間に立ち上がってストレッチをする

・電話中に歩く

・エレベーターの代わりに階段を使う

・起床後や入浴前にスクワットを数回行う

・歯磨きの時間につま先立ちや片足立ちをする


など、無理なく続けられる工夫でも十分です。


運動は、一度にたくさん行うことよりも、続けることが大切です。

また、運動は血圧だけでなく、気分や睡眠にも良い影響を与えることが知られています。


「これなら毎日できそう」と思えることを、自分の生活の中に一つ二つ取り入れてみてはいかがでしょうか。



睡眠も血圧に関係する


睡眠不足は血圧を上げる要因の一つです。


慢性的な睡眠不足や不規則な生活は、自律神経やホルモンバランスに影響を与えます。


睡眠不足が体や脳に与える影響については、こちらの記事でも詳しくまとめています。


また、


睡眠時無呼吸症候群


が高血圧の背景に隠れていることもあります。


いびきが強い、

日中の眠気が強い、


という方は一度相談してみる価値があります。


ときに「原因のある高血圧」が隠れている


高血圧のほとんどは、


はっきりした原因のない「本態性高血圧」です。


ただ、一部には、


体のどこかに原因がある「二次性高血圧」


が隠れていることがあります。


例えば、


・腎臓の病気

・ホルモンの異常(特に原発性アルドステロン症は見逃されやすいことが知られています) ・睡眠時無呼吸

・一部の薬や嗜好品


などです。


薬や嗜好品では、


市販の痛み止め(NSAIDs)、 点鼻薬や風邪薬、 ピル、 お酒、

そして漢方に含まれる甘草(かんぞう)


が血圧を上げることがあります。


漢方薬を続けている方は、


意外な盲点になることがあります。


特に、


・若いうちに高血圧を指摘された

・急に血圧が高くなった

・数値がとても高い

・複数の薬を使っても下がらない

・血液検査でカリウムが低いと言われた


こうした場合は、背景に原因がないか一度調べてみる価値があります。


二次性高血圧は頻度こそ多くありませんが、


原因が見つかれば、それに応じた対処で改善が期待できる

という前向きな面もあります。


だからこそ、生活習慣の見直しと並行して、

一度きちんと評価を受けておくことに意味があります。


ストレスと血圧


血圧は心と無関係ではありません。


仕事、

介護、

子育て、

海外生活でのストレス。


そうした負担が積み重なると、血圧が上がることがあります。


近年では、


マインドフルネス

瞑想


が血圧の改善に役立つ可能性も報告されています。


劇的に血圧を下げる方法ではありませんが、


呼吸を整える、


今この瞬間に意識を向ける、


そうした習慣がストレス軽減につながることがあります。


ストレスとの付き合い方については、こちらの記事も参考になるかもしれません。


続けるコツは「完璧を目指さない」


健康習慣で一番難しいのは、


始めることではなく続けること


です。


毎日1時間運動するより、

毎日10分歩く。


完璧な食事を目指すより、

まず野菜を一品増やす。


大きな変化よりも、小さな変化を続ける方が長続きします。


まとめ


高血圧は、症状がないうちから少しずつ血管に負担をかける病気です。


高血圧も、大腸がんも、乳がんも、症状が出る前に見つけることが大切です。



だからこそ、


まず自分の血圧を知ること。


そして、

食事、

運動、

睡眠、

ストレス管理


など、できるところから整えていくことが大切です。


すべてを一度に変える必要はありません。


今日からできる小さな一歩が、10年後、20年後の健康につながるかもしれません。


当院でも、高血圧の診断や治療だけでなく、生活習慣の見直しについてもご相談いただけます。


気になる方はお気軽にご相談ください。


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