【保存版】旅行中の体調管理―海外旅行・日本への一時帰国に持っておきたい薬と準備リスト―
- Dr. Rie Iwaki
- 7月19日
- 読了時間: 6分
「旅行中に子どもが熱を出したらどうしよう。」
「海外で薬局へ行くのは少し不安。」
「日本へ一時帰国するとき、どんな薬を持って行けば安心?」
夏休みや長期休暇が近づくと、このようなご相談をいただくことがあります。
旅行は楽しみな一方で、環境や食事、気候の変化、疲労などから体調を崩しやすい時期でもあります。
また、日本とオーストリアでは市販薬の種類や商品名が異なるため、「現地で買えば大丈夫」と思っていても、必要な薬がすぐに見つからないこともあります。
今回は、旅行前に準備しておくと安心な薬や持ち物についてまとめました。
※この記事は一般的な内容です。持病がある方や妊娠中、小さなお子さんでは必要なものが異なりますので、旅行前にかかりつけ医へご相談ください。
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出発前に確認したいチェックリスト
旅行前には、まず次の点を確認しておきましょう。
□ 常用薬は旅行期間より数日多めに準備した
□ お薬手帳や薬剤リストを持参する
□ 処方薬は元の箱・ラベル付きで持参する(可能であれば処方内容が分かる書類も)
□ 海外旅行保険に加入した
□ e-cardや保険証を確認した
□ 渡航先で必要なワクチンを確認した
□ 持病がある場合は旅行について主治医へ相談した
特にインスリンや喘息の吸入薬など、毎日必要な薬は絶対に忘れないようにしましょう。
薬は機内持ち込みがおすすめです
常用薬や重要な薬は、預け荷物ではなく機内持ち込み手荷物に入れることをおすすめします。
飛行機の遅延や荷物の紛失が起きても、必要な薬を使うことができます。
また、薬は高温や湿気に弱いものもあります。
真夏の車内など、高温になる場所へ長時間置かないよう注意しましょう。
大人が持っておくと安心な薬
発熱・痛み
パラセタモール
例)
Mexalen®
発熱だけでなく、
頭痛
筋肉痛
歯痛
などにも使用できます。
イブプロフェン
例)
Nurofen®
RatioDolor®
炎症や痛みを伴う症状にも使われます。
胃潰瘍や腎機能障害がある方などでは使用できない場合があります。
下痢
旅行中は食事や水の変化から下痢になることがあります。
整腸剤
Perenterol forte®
下痢止め
Imodium akut®
※高熱や血便がある場合には自己判断で下痢止めを使用せず、医療機関を受診してください。
脱水対策
下痢や嘔吐では、水だけでなく電解質も失われます。
旅行先によっては経口補水液を準備しておくと安心です。
例)
Oralpädon®
Normolyt®
胸やけ・胃もたれ
例)
Iberogast®
Gaviscon®
便秘
旅行中は生活リズムの変化から便秘になることもあります。
例)
Movicol®
Molaxole®
アレルギー
花粉症や蕁麻疹がある方は、
普段服用している抗ヒスタミン薬を忘れずに持参しましょう。
例)
Zyrtec®
Clarityn®
虫刺され・皮膚トラブル
Fenistil Gel®
小さな傷
消毒
Octenisept®
創傷ケア
Bepanthen Plus®
なお、深い傷や動物による咬傷、汚染の強い傷では自己処置だけで済ませず、早めに医療機関を受診してください。
日焼け後
Bepanthen Creme®
子どもで準備しておくと安心なもの
子どもの薬は、
年齢ではなく体重によって量が決まります。
旅行前に現在の体重に合わせた服用量を確認しておきましょう。
解熱剤
Mexalen Saft®
または
Nureflex Saft®
経口補水液
Oralpädon®
保湿剤
Bepanthen Sensiderm®
おむつかぶれ・皮膚の保護
Bepanthen Salbe®
軽いおむつかぶれ
乾燥した皮膚
摩擦による赤み
毎日のスキンケアにも使用しやすい
Inotyol® Salbe
赤みが強いおむつかぶれ
湿った皮膚の保護
皮膚を保護するバリアとして使用
※発熱を伴う場合や、水ぶくれ・膿・強い痛みがある場合、数日使用しても改善しない場合は、細菌感染や真菌(カンジダ)感染など別の原因が隠れていることもあるため、医療機関を受診しましょう。
鼻洗浄スプレー
Sterimar Baby®
虫よけ
年齢に応じた虫よけ剤を準備しましょう。
「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」
旅行中は、
「せっかくだから」とつい食べ過ぎてしまうことがあります。
暴飲暴食は胃腸の負担になるだけでなく、血糖値も大きく変動しやすくなります。
おすすめなのは、
一口ごとによく噛む
20回程度噛むことを意識する
急いで食べない
食事の味や香りを楽しむ
ことです。
このように食事そのものへ意識を向ける食べ方はマインドフル・イーティングとも呼ばれています。
旅行だからこそ、「量」だけではなく「味わって食べること」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
飛行機で気をつけたいこと
長時間のフライトでは、
こまめな水分補給
ときどき歩く
足首を動かす
締め付けの少ない服装
を心がけましょう。
高齢の方や妊娠中の方、過去に血栓症を経験した方や血栓症のリスクが高い方では、長時間のフライトに備えて弾性ストッキングの着用や、必要に応じて血栓予防の注射が勧められることがあります。自己判断では使用せず、旅行前に主治医へご相談ください。
こんな症状があれば旅行を続けず受診を
旅行中でも、次のような場合には早めに医療機関を受診しましょう。
呼吸が苦しい
強い胸の痛み
意識がもうろうとしている
高熱が続く
血便
激しい腹痛
水分が取れない
繰り返す嘔吐
けいれん
発疹が急速に広がる
持ち物チェックリスト
大人
☐ 常用薬
☐ お薬手帳・薬剤リスト
☐ Mexalen®
☐ Nurofen®
☐ Perenterol forte®
☐ Imodium akut®
☐ Oralpädon®またはNormolyt®
☐ Rennie®またはGaviscon®
☐ Fenistil Gel®
☐ Octenisept®
☐ Bepanthen Plus®
☐ 日焼け止め
☐ 絆創膏
☐ 体温計
子ども
☐ 常用薬
☐ Mexalen Saft®
☐ Nureflex Saft®
☐ Oralpädon®
☐ Bepanthen Sensiderm®
☐ Bepanthen Salbe®
☐ Fenistil Gel®
☐ NoseFrida®(乳幼児)
☐ 鼻洗浄スプレー
☐ 虫よけ
☐ 体温計
☐ 母子手帳または予防接種記録
まとめ
旅行先で薬を購入することはできますが、国によって商品名や成分、用量が異なります。
特に、小さなお子さんや持病のある方では、普段使い慣れた薬を準備しておくと安心です。
また、旅行前には無理をせず体調を整え、十分な睡眠と水分補給を心がけることも大切です。
当院では、日本語で旅行前の健康相談も行っています。
常用薬の確認や、お子さんの解熱剤の適切な量、旅行先に応じた注意点などもお気軽にご相談ください。
この原稿は、オーストリアおよびドイツの公的機関が推奨する旅行用救急セットの考え方をベースにしつつ、日本人読者向けに構成しています。ただし、市販薬の取り扱いは変更されることがあるため、購入時には薬剤師にご相談ください。また、薬剤は年齢や基礎疾患、妊娠・授乳の有無によって使用できない場合があります。