それは「季節のせい」だけではないかもしれない―アレルギーと上手につき合うために―
なんとなく鼻がむずむずする。
目がかゆい。
くしゃみが続く。
夜になると咳が出る。
そんな症状が、季節に関係なく続いていることはありませんか。
「風邪が長引いているのかな」
「体調がいまひとつなだけかも」
そう思いながら過ごしている方も、少なくないかもしれません。
アレルギーとは、本来体を守るはずの免疫が、
花粉、ダニ、動物の毛、カビ、食べ物などに対して、
過敏に反応してしまう状態です。
その結果として、
・鼻炎(花粉症)
・結膜炎(目のかゆみ)
・皮膚のかゆみ
・喘息(咳・息苦しさ)
・じんましん
など、さまざまな症状として現れます。
なお、寒暖差によって鼻水やくしゃみが出る場合、いわゆる「寒暖差アレルギー」と呼ばれることもありますが、実際にはアレルギーではなく、血管運動性鼻炎と呼ばれる状態であることがあります。
大切なのは、「何に反応しているのか」を知ることです。
症状の出る季節、場所、食べたもの、触れたもの。家の中か外か、朝か夜か。
こうした日常の小さな手がかりが、診断につながります。
季節によって症状が強く出る場合には、
花粉症が関係していることもあります。
ウィーンでの花粉の時期や特徴については、
こちらの記事でも詳しくまとめています。
必要に応じて、血液検査や皮膚テストで、原因となるアレルゲンを調べることもあります。
治療は、「我慢すること」ではありません。
まずは、原因をできるだけ避けること。
花粉の多い日は窓を長く開けすぎない、
外出後に髪や衣服についた花粉を落とす、
寝具を清潔に保つ、
カビやほこりをためない。
こうした小さな工夫でも、症状が軽くなることがあります。
それでもつらい場合には、薬の助けを借ります。
鼻の症状には抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬、
目のかゆみには抗アレルギー点眼薬、
咳や喘息を伴う場合には吸入薬などが使われます。
これらは症状を抑える治療であり、眠気などの副作用や使い方のポイントもあるため、自分に合ったものを医師や薬剤師と相談することが大切です。
また、原因がはっきりしていて、毎年強い症状を繰り返す場合には、
アレルゲン免疫療法(減感作療法)が検討されることもあります。
これは、原因物質に少しずつ体を慣らしていく治療で、
すぐに効果が出るものではありませんが、
体質そのものに働きかける治療とされています。
症状が強く、薬で十分にコントロールできない場合には、耳鼻科での処置(レーザー治療など)が検討されることもあります。
一方で、注意が必要な症状もあります。
・息苦しさ、ゼーゼーする呼吸
・唇やまぶたの腫れ
・全身のじんましん
・強い腹痛や嘔吐
・意識がぼんやりする感じ
こうした症状が急に現れた場合には、
アナフィラキシーと呼ばれる緊急の状態の可能性があります。
症状によっては、早めの受診が必要になることもあります。
ウィーンでの救急や時間外の受診方法については、
別の記事で分かりやすくまとめています。
また、まれではありますが、
運動がアレルギー反応の引き金になることもあります。
特に、ある食べ物を食べたあとに運動したときだけ、じんましんや息苦しさ、腹痛、気分不快などが出る場合には、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの可能性があります。
一度でも強い全身症状があった場合には、
自己判断せず、早めに医療機関で相談することが大切です。
ウィーンで暮らしていると、日本とは花粉の種類や飛散時期、住まいの環境も異なります。
「日本では大丈夫だったのに」
「こちらに来てから症状が出るようになった」
そう感じる方も少なくありません。
だからこそ、
・毎年同じ時期に症状が出る
・市販薬でしのいでいるが生活に支障がある
・咳や息苦しさを伴う
・食べ物や薬で強い反応が出たことがある
こうした場合には、一度相談してみることをおすすめします。
アレルギーは、完全になくすことが難しい場合もあります。
けれど、原因を知り、対策を立て、
必要な治療を上手に使うことで、
日々のつらさを軽くすることはできます。
「体質だから仕方ない」と片づけてしまう前に、
少しだけ、自分の体の反応に目を向けてみる。
その小さな気づきが、季節をもう少し心地よく過ごすための、
最初の一歩になるのかもしれません。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
必要に応じて、血液検査で原因を確認することもできます。

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