ウィーンで病院にかかるには?日本人向け医療ガイド【2026年版】
- Dr. Rie Iwaki

- 3月24日
- 読了時間: 4分
更新日:3 日前
ウィーンで体調を崩したとき、
「どこに受診すればよいのか」「日本とどのように違うのか」と迷われる方は少なくありません。
ここでは、オーストリアの医療システムについて、日本人の方向けに分かりやすくご紹介します。
① まずは家庭医(Hausarzt)へ
オーストリアでは、体調不良の際にはまず
家庭医(Allgemeinarzt / Hausarzt)を受診するのが基本です。
風邪や腹痛といった一般的な症状から慢性疾患の管理まで幅広く対応しており、必要に応じて専門医や病院への紹介も行われます。
② 医師の探し方
信頼できる医師を見つけることは大切ですが、実際には簡単ではありません。
主な方法としては、
・知人やコミュニティでの口コミ
・医師会の検索サイトの利用
・オンライン検索サービスの活用
などがあります。
▶ Praxisplan(ウィーン医師会)
※言語(Fremdsprache)で検索でき、英語など対応言語でも絞り込みが可能です。
※近年は評価や予約方法などの情報も追加され、より使いやすくなってきています。
▶ Google検索
「Hausarzt Wien 1010」「日本語 医師 Wien」などで検索する方法も有効です。
▶ 医師検索サイト
Ladidoのシステムを使用しているWahlarztではサイトから直接予約でき急な予約が必要な場合には便利です。
③ KassenarztとWahlarztの違い
オーストリアの医師には大きく2つの種類があります。
▶ Kassenarzt(契約医)
公的保険が適用され、基本的に自己負担はありません。
▶ Wahlarzt(プライベート医)
一旦全額自己負担となりますが、後日申請により一部が返金されることがあります。
また、公的保険を利用する場合には、いわゆる「四半期(3ヶ月)ルール」に注意が必要です。
オーストリアでは、診療は四半期ごとに区切られており、
それぞれ
1月~3月、4月~6月、7月~9月、10月~12月
の単位で管理されています。
この期間内に一度受診した一般医(家庭医)については、同じ四半期の間は原則として変更することができません。
そのため、最初に受診する医師は、通いやすさや相性も含めて選ぶことが大切です。
④ 病欠時の診断書(Krankenstand)
勤務されている方の場合、病欠には診断書が必要となります。
通常は家庭医が発行します。病院では発行しない場合が多いです。
⑤ 検査と医療の進め方(日本との違い)
オーストリアでは、日本とは異なる医療の進め方が見られます。
▶ 検査は専門の検査機関で行うことが多い
▶ 検査結果は患者自身が管理する
レントゲンや血液検査の結果、入院時の経過(Patientenbrief / Entlassungsbrief)などは、患者自身が保管するのが一般的です。
家庭医に情報を集約しておくと、いざというときにスムーズに対応できます。
⑥ 医療機関でのコミュニケーション
オーストリアでは、自分の希望や疑問をはっきり伝えることが重要とされています。
▶ 分からないことは遠慮せず質問する
▶ 必要に応じて英語での説明を依頼する(最近は携帯電話の翻訳アプリを使用してくれる医師も多いです)
また、医療は患者本人の意思を尊重する(インフォームド・コンセント/Einwilligung)ことが基本です。判断能力のある患者の場合、家族への説明よりも本人への説明が中心となることが一般的です。
未成年についても、14歳頃から判断能力があれば本人の意思が尊重されるとされており、
特に16歳以上では実務上、成人に近い形で自己決定が扱われることが多いです。
実際に、小児科病棟で16歳の男の子に対して、手術の説明と同意を本人だけに行っているのを見てカルチャーショックを受けました。
家族への説明や同席を希望される場合は、あらかじめ医療者に伝えておくと安心です。
⑦ 日本語での医療相談について
言葉や文化の違いの中での体調不良や治療は、大きな負担となることがあります。
当院では、日本語で安心してご相談いただける環境を整えております。
必要に応じて、医療機関への付き添いにも対応しています。
不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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